
mariadb 全体をバックアップするには?
mariadb 全体をバックアップするには?
MariaDB全体のバックアップには、いくつかの方法があります。主な方法とそれぞれの特徴は以下の通りです。
1. mysqldumpコマンドを使用する
- 特徴:
- 論理バックアップ:SQL形式でデータと構造を保存します。
- 特定のデータベース、テーブル単位でのバックアップも可能。
- 比較的簡単に使用できます。
- コマンド例:
- 全てのデータベースをバックアップする場合:
mysqldump -u [ユーザー名] -p --all-databases > backup.sql
- 特定のデータベースをバックアップする場合:
mysqldump -u [ユーザー名] -p [データベース名] > backup.sql
- 全てのデータベースをバックアップする場合:
- 注意点:
- 大規模なデータベースのバックアップには時間がかかる場合があります。
- バイナリログはバックアップされません。
2. mariadb-backupコマンドを使用する
- 特徴:
- 物理バックアップ:データファイルを直接コピーするため、高速にバックアップできます。
- 増分バックアップに対応。
- オンラインバックアップが可能。
- コマンド例:
- フルバックアップ:
mariadb-backup --backup --target-dir=[バックアップディレクトリ]
- フルバックアップ:
- 注意点:
- リストアにはmariadb-backupコマンドが必要です。
- オンラインバックアップはinnodbなどの一部のストレージエンジンのみ対応です。
3. ファイルシステムレベルでバックアップする
- 特徴:
- データディレクトリを直接コピーするため、高速にバックアップできます。
- OSのバックアップツールと連携しやすい。
- 注意点:
- MariaDBサーバーを停止する必要があります。
- リストアにはデータディレクトリを元の場所に戻す必要があります。
バックアップ戦略の考慮事項
- バックアップ頻度:データの重要度や変更頻度に合わせて決定します。
- バックアップ世代管理:複数の世代のバックアップを保持することで、障害時の復旧範囲を広げられます。
- バックアップデータの保管場所:外部ストレージやクラウドストレージなど、安全な場所に保管します。
- バックアップのリストアテスト: 定期的にリストアテストを実施し、バックアップが正常に機能することを確認してください。
推奨事項
- mysqldumpとmariadb-backupを組み合わせて使用することで、それぞれの利点を活かしたバックアップが可能です。
- バックアップスクリプトを作成し、自動化することを推奨します。
これらの情報を参考に、MariaDB環境に最適なバックアップ方法を選択してください。
全てのデータベースをバックアップする場合:mysqldump -u [ユーザー名] -p –all-databases > backup.sql
ですべてのデータベースのバックアップから復元する方法
mysqldump -u [ユーザー名] -p --all-databases > backup.sql
コマンドで作成したバックアップファイル backup.sql
から全てのデータベースを復元するには、以下の手順を実行します。
1. MariaDBへのログイン
まず、MariaDBサーバーにログインします。
Bash
mysql -u [ユーザー名] -p
[ユーザー名]
には、MariaDBのユーザー名を指定します。-p
オプションを指定すると、パスワードの入力を求められます。
2. バックアップファイルの復元
ログイン後、以下のコマンドを実行してバックアップファイルを復元します。
SQL
source backup.sql;
このコマンドは、backup.sql
ファイルに記述されたSQL文を順番に実行します。これにより、バックアップされた全てのデータベース、テーブル、データが復元されます。
3. 復元後の確認
復元が完了したら、以下のコマンドでデータベースが正常に復元されたか確認します。
SQL
SHOW DATABASES;
このコマンドは、MariaDBサーバーに存在するデータベースの一覧を表示します。バックアップされたデータベースが表示されれば、復元は成功です。
補足
backup.sql
ファイルのサイズが大きい場合、復元に時間がかかることがあります。- 復元中にエラーが発生した場合は、エラーメッセージを確認し、原因を特定して修正してください。
- 復元先のMariaDBサーバーのバージョンが、バックアップ元のサーバーのバージョンと異なる場合、互換性の問題が発生する可能性があります。
- データベースの文字コードの設定がバックアップ元と復元先で異なっている場合、文字化けする可能性があります。
その他の復元方法
mysql
コマンドのオプションで復元することも可能です。
Bash
mysql -u [ユーザー名] -p < backup.sql
このコマンドは、backup.sql
ファイルの内容を標準入力から mysql
コマンドに渡し、実行します。
上記の方法で全てのデータベースを復元できます。
この場合、同一のDB、tableは上書きされるのですか?
はい、mysqldump
コマンドで作成されたバックアップファイルから復元する場合、同一のデータベースやテーブルが存在すれば上書きされます。
より詳細に説明します。
復元時の動作
backup.sql
ファイルには、データベースやテーブルの作成、データの挿入など、データベースを復元するためのSQLコマンドが含まれています。- 復元時にこれらのコマンドが実行されるため、既に同じ名前のデータベースやテーブルが存在する場合、以下のようになります。
- データベース:
CREATE DATABASE
コマンドが含まれている場合、すでに同名のデータベースが存在しているとエラーになります。しかし、CREATE DATABASE IF NOT EXISTS
がsqlファイル内に記載されている場合はエラーは発生しません。 - テーブル:
CREATE TABLE
コマンドが含まれている場合、すでに同名のテーブルが存在しているとエラーになります。しかし、CREATE TABLE IF NOT EXISTS
がsqlファイル内に記載されている場合はエラーは発生しません。 - データ:
INSERT INTO
コマンドでデータが挿入されます。すでに同じデータが存在する場合、重複して挿入されるか、主キー制約などの設定によってはエラーになることがあります。
- データベース:
上書きを避けるための対策
- 復元先のデータベースやテーブルを事前に削除する:復元前に、既存のデータベースやテーブルを削除しておけば、上書きを避けることができます。
CREATE DATABASE IF NOT EXISTS
やCREATE TABLE IF NOT EXISTS
をsqlファイル内で使用する。- 別のデータベース名で復元する:復元先のデータベース名をバックアップ元と異なる名前にすることで、上書きを避けることができます。
- mysqldumpコマンドで、–no-create-infoオプションを使用する。–no-create-infoオプションを使用すると、create文がsqlファイル内に出力されなくなるので、データの挿入のみが実行されます。
注意点
- 復元前に、バックアップファイルの内容をよく確認し、どのようなSQLコマンドが実行されるかを把握しておくことが重要です。
- 特に、本番環境などで復元を行う場合は、事前にテスト環境で復元を行い、問題がないことを確認してから実行するようにしてください。

